つみたて投資で増えたお金の取り崩し方について学ぶ

お金の勉強

今回は、つみたて投資で増えたお金の取り崩し方について解説します。

つみたて投資とは、毎月一定額をインデックスファンドに積み立てることで、長期的に資産を増やす方法です。インデックスファンドとは、株式や債券などの市場全体を追従する投資信託のことです。インデックスファンドは、手数料が安く、分散投資ができるというメリットがあります。

しかし、つみたて投資で増えたお金をいつどうやって引き出すかは、あまり知られていません。実は、取り崩し方によっては、税金や手数料がかかったり、収入が不安定になったりする可能性があります。そこで、取り崩し方にはどんな方法があるのか、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

一括取り崩し

一括取り崩しとは、一度に全額を引き出す方法です。例えば、退職時に積み立てた資産を一括で受け取るというケースです。この方法のメリットは、自由に使えるお金が一気に増えることです。また、インデックスファンドから離れることで、市場の変動に左右されなくなることもあります。

しかし、一括取り崩しには大きなデメリットもあります。まず、税金です。インデックスファンドからお金を引き出すときには、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は、売却価格から買付価格を差し引いた利益に対して20.315%の税率で課税されます。つまり、一括で引き出すときには、利益の約5分の1を税金として支払わなければなりません。

また、手数料もかかります。インデックスファンドからお金を引き出すときには、信託報酬や販売手数料などが発生します。これらの手数料は、インデックスファンドごとに異なりますが、一般的には0.1%から1%程度です。つまり、一括で引き出すときには、資産の約1%を手数料として支払わなければなりません。

さらに、収入の安定性も失われます。一括で引き出したお金は、自分で管理しなければなりません。そのお金をどう使うか、どう貯めるかは自分次第です。もし無計画に使ってしまったり、不測の事態に遭ったりしたら、お金が足りなくなる可能性があります。

定期取り崩し

定期取り崩しとは、毎月や毎年など一定期間ごとに一定額を引き出す方法です。例えば、毎月10万円ずつ受け取るというケースです。この方法のメリットは、安定した収入を得ることができることです。また、インデックスファンドに残った資産は引き続き運用されるため、長期的に資産が増える可能性もあります。

しかし、定期取り崩しにもデメリットがあります。まず、税金です。定期取り崩しでも譲渡所得税がかかりますが、計算方法が異なります。定期取り崩しでは、「平均原価方式」という方法で買付価格を算出します。「平均原価方式」とは、「保有している全ての口数(株式や投信の単位)の買付価格の合計÷保有している全ての口数」で計算する方法です。

この方法では、「先入れ先出し方式」という方法よりも買付価格が高くなる傾向があります。「先入れ先出し方式」とは、「最初に買った口数から順番に売却したものとみなす」方法です。つまり、「平均原価方式」では、「先入れ先出し方式」よりも利益が少なく見えることになります。その結果、「平均原価方式」では、「先入れ先出し方式」よりも税金が少なくなる可能性があります。

しかし、「平均原価方式」では、「先入れ先出し方式」よりも手数料が多くなる可能性もあります。「平均原価方式」では、「先入れ先出し方式」よりも売却する口数が多くなる傾向があります。つまり、「平均原価方式」では、「先入れ先出し方式」よりも信託報酬や販売手数料が多く発生する可能性があります。

さらに、市場の変動に左右されやすくなります。定期取り崩しでは、毎回同じ額を引き出しますが、その時点での市場価格に応じて売却する口数が変わります。市場価格が高いときは少ない口数で済みますが、市場価格が低いときは多くの口数を売らなければなりません。つまり、市場価格が低いときに多く売ってしまうことで、

  • 資産残高が減少する
  • 後々回復する可能性のある口数を失う
  • 残った口数から得られる配当や分配金が減少する

というリスクを抱えることになります。

必要なときに取り崩し

必要なときに取り崩しとは、自分のライフスタイルや目標に合わせて引き出す方法です。例えば、

  • 旅行や趣味など特別な支出がある時
  • 収入源や生活費が変わった時
  • 資産運用の方針や目標額を変更した時

などです。この方法のメリットは、

  • 柔軟性が高い
  • 自分のニーズや目的に合わせて最適化できる
  • 市場タイミングや配当・分配金

などです。しかし、必要なときに取り崩しにもデメリットがあります。まず、計画性が低くなることです。必要なときに取り崩しでは、引き出す額や時期が不定期になるため、収入や支出のバランスをとることが難しくなります。また、税金や手数料の最適化も難しくなります。必要なときに取り崩しでは、一括取り崩しや定期取り崩しと比べて、譲渡所得税や信託報酬・販売手数料の発生タイミングや額が不明確になります。そのため、税金や手数料の負担を最小限に抑えることができない可能性があります。

まとめ

以上が、つみたて投資で増えたお金の取り崩し方についての解説でした。一括取り崩し、定期取り崩し、必要なときに取り崩しの3つの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。自分のニーズや目的に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

もちろん、これらの方法は一度決めたら固定する必要はありません。状況や目標が変わったら、取り崩し方も変えることができます。ただし、その際には税金や手数料の影響を考慮することを忘れないでください。

つみたて投資は、長期的に資産を増やすだけでなく、自分の夢や目標を実現するための手段でもあります。つみたて投資で増えたお金を上手に取り崩して、自分らしい人生を楽しみましょう。

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